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事例8.空き家となる実家の売却と売却代金の有効活用をしたい

事例

X(75)は、一人息子Aと離れて一人暮らしをしていましたが、独居生活の不安を解消すべく、先日老人ホームに入所しました。

空き家になったXの自宅には息子Aが住むこともないので、毎月の施設利用料を確保するために、数年内に売却したいとXもAも考えています。しかしXには最近物忘れがみられるため、いざ実家を売却する段になって認知症が進行し、スムーズな売却ができなくなるのではと息子Aは心配しています。

敷地の広い実家は高値で売れる見込みで、息子Aが税理士とともにXの老後の収支シミュレーションをした結果、Xが長生きしても使いきれず、相続税の納税が発生するほどの額が残る試算でした。

そこでXの了解のもと、相続税対策も兼ねて余剰資金の運用・有効活用の権限も息子Aがもらっておきたいと考えています。

家族図

現状における問題点やリスク

①Xの判断能力低下で自宅売却がスムーズにできなくなる可能性がある

②成年後見制度の利用下では相続税対策が実行できず、将来の納税負担が大きくなる

問題点やリスクに対する希望・要望

①⇒Xの判断能力の有無に影響を受けないスムーズな自宅売却を実現したい

②⇒Xが亡くなるまで成年後見制度を使わずに相続税対策(資産の組換え・有効活用)ができるようにしたい

解決策

(1)元気なうちに子に権限を与えておく
Xと息子Aとの間で、自宅を信託財産として管理処分を任せる旨の信託契約を締結します。

受託者となる息子Aに、信託監督人である司法書士Zの同意を得た上で自宅不動産を売却できる権限を与えておくとともに、信託監督人の同意があれば、Xの老後資金を枯渇させない程度の余剰資金で、相続税対策としての賃貸不動産の購入権限も託しておきます。こうすることで、信託契約後は、Xの判断能力が低下しても、成年後見制度を利用することなく、任意のタイミングで自宅売却ができるとともに、その後の売却代金の一部をもって相続税対策の計画を実行することが可能です。・・・問題①②を解決

(2)もしもの時も相続登記を挟まずに売却できる
もし自宅売却が済む前にXが急死してしまった場合、通常だと唯一の相続人たる息子A名義に相続登記をしてから売却することになります。家族信託を実行しておくと、Xが亡くなっても、登記簿上の名義は「受託者A」となっているので、売却手続きに支障は無く、相続登記に要する費用と日数をかけずにスムーズな売却が可能となります。

信託設計イメージ図

信託設計の概要

委託者:X
受託者:息子A
受益者:X
信託監督人:司法書士Z
信託財産:自宅不動産
信託期間:Xの死亡(信託終了時に自宅が残っていたら息子Aが清算受託者として売却する)
残余財産の帰属先:息子A

その他ポイント

・信託監督人の役割
息子Aが悪質な業者に騙されずに適正価格で自宅売却ができるように、信託監督人をお目付け役として据えるとともに、売却後の金銭管理や資産運用が適切か、チェックやアドバイスを担います。

・自宅売却における税務特例も利用できる
自宅の不動産登記簿には「受託者A」と記載されますし、売買契約などの各種契約書類には全て「委託者X 受託者A」として調印することになります。

息子Aによる自宅売却後の代金は、実質的にはXの保有資産であるので、「居住用財産の金3,000万円の特別控除」も利用することができます(家族信託を組むことによって、不動産に関して税務的な軽減措置・特例が受けられなくなることはありません)。

なお、確定申告は、「受託者A」としてやるのではなく、申告書上は従来通りXが申告と納税をすればよいことになります。

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